アセットマネジメントを支援するためのツールとして、数理モデルを用いて劣化予測を行い、劣化予測結果から維持管理施策を最適化する、という一連の方法論が盛んに研究・開発されています。これらの数理モデルに関して、「実務への導入を検討している」というお声を実務者の方々から頂戴しております。その反面、「モデルの数式がややこしく理解が難しい」、「実務で利用するにあたり、何を理解していたら良いのかが分からない」といったご意見も併せてお伺いしております。
本セミナーでは、これらの数理モデルを基礎から丁寧に説明し、受講者の方々の理解や実務への導入検討をサポートすることを目的と致します。
具体的には、
i)マルコフモデルはどのような性質を持つのか、
ii)マルコフモデルを用いて劣化予測を行うにはどうすれば良いか(点検データからマルコフモデルを推定するにはどうすれば良いか)、
iii)推定されたマルコフモデルを用いて最適な維持管理施策を導出するにはどうすれば良いか、
の3つのポイントについて基礎的な内容を説明し、マルコフモデルの理解の第一歩となるようなセミナーとすることを予定しております。
また、これらのマルコフモデルを用いた分析結果が、ISO 55000シリーズで求められるアセットマネジメントのどのプロセスで利用可能なのかという視点も紹介させて頂ければと考えております。
本セミナーに是非ともご参加頂き、実務への導入検討や社会人の学び直しのための場としてご活用頂けると幸いです。
(主な内容)
1) マルコフモデルとは?
2) マルコフモデルによる劣化予測
3) 維持管理施策最適化のためのマルコフモデル
4) マルコフモデルによる分析結果とISO 55000シリーズとの関連性
【講師のプロフィール】講師(敬称略)
水谷 大二郎
博士(工学)、Certified Asset Management Assessor (CAMA)
2016年 9月 大阪大学大学院工学研究科博士後期課程 修了
2016年 4月 2017年3月 チューリッヒ工科大学 Research Associate
2017年 4月 2017年7月 大阪大学大学院工学研究科 特任研究員
2017年 8月 2020年9月 東北大学災害科学国際研究所 助教
2020年10月 現在 東北大学大学院工学研究科 助教
受賞歴:科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞(令和4年度)、土木学会論文賞(平成29年度、平成30年度、令和元年度)、土木学会論文奨励賞(平成28年度)、JAAM実践・研究発表会 JAAM賞(2019年,2021年) など